PEG(Price Earnings Growth)レシオ=成長性を加味した割安指標

PEGレシオ(Price Earnings Growth Ratio))というのは、株価の割安性を表す指標で、企業の成長性を加味した割安性を示します。株式投資で有名なPER(株価収益率:Price Earning Ratio)に、成長という英語の【Growth】の頭文字である「G」が加わったものです。

PEGレシオとは、PERを一株利益成長率(の数字)で割って算出します。例えばPERが20倍でEPS成長率が8%ならば【20÷8=2.5】となりますから、この企業のPEGレシオは2.5となります。一般的にPEGレシオは1〜2の間が標準的で、2を超えると割高、1未満なら割安と判断できます。
PEGレシオの有効性;海外投資データバンク

PEGレシオはPERよりも有効な指標であるはずですが、日本ではかなり無名です。アメリカのヤフーファイナンスではPEGレシオを表記していますが、日本のヤフーファイナンスではその欄はありません。

PEGレシオの問題は、Gの部分〜即ち成長性をどのように判断するのか、機械的な数値を出しづらいからです。PERは前年の実績で算出するのが一般的ですが、PEGレシオは過去五年のEPS成長率の平均を出し、それを加味する事がアメリカでは多いようです。但しそれでも、未来の予測としては不十分で、過去5年と同じ成長が続くか否かは分からないからです。

リバランス=(ポートフォリオを)再度均衡を保つ

リバランス【rebalance】というのは、金融用語では「ポートフォリオを一定の比率に保つ為の売買」という意味です。金融以外でも、例えば健康関係でもリバランスという言葉を使うようです(詳しくないので割愛)。

でこの金融業界でのリバランス、「balance=釣り合う、均衡」という言葉に「re=再び」という接頭語的なものが付いてます。balance=均衡を取る=一定に保つという意味に「re」が付くことで、再度均衡を保つという意味になる訳ですね。

他に「re=再び」というのが付く言葉は、readjustとかremakeとかがあります。あっと、Twitterリツイート【RT】も、再度ツイートするという意味ですね。

ちなみにこのリバランスという行為、インデックス投資の世界では一般的に、必要不可欠だと言われています。しかし、鵜呑みにしてはいけません。リバランスのために保有資産を売却すれば、利益に税金が課せられるので、確実に元本が減ってしまいます。バイアンドホールドを続ける限り(つまり含み益の段階)では、税金はかかりません。

リバランスは必要ない

要するに、リバランスすることに囚われて、毎年のように資産の売買を続けていれば、確実に資産が税金に蝕まれていくのです。どうしてもリバランスをするのであれば、新規投資でポートフォリオの調整を行うべきであり、購入済みの資産は基本的に売るべきではないのです。

※唯一、例外を挙げるとすれば、税金のかからない確定拠出年金の口座内でのリバランスです。

ソリッド=中身の充実した(データの裏付けがある)

海外投資の世界では有名な広瀬氏のBlogで、一つ勉強になった表現があった。ソリッド(Solid)という表現だ。何か中学か高校の英語で出てきた気がするが、意味は良くわからん。調べてみると、どうやらSolidとは「硬質な」とか「中身の充実した」とかいう意味の形容詞なようだ。

【一部抜粋】
それから金融メディアはデータが全てだと僕は個人的に思っています。だからクダクダ能書き垂れるのは最小限にして、データに語らせることを優先します。(中略)投資家は、いつも間違ってばかりいる僕の意見など、どうでもいいと思っている筈です。でもデータの正確さや早さは数カ月観察していると「こいつはソリッドだな」ということは、わかる。
(中略)だから本当の主役はデータです。既存メディアを、どう打ち負かす?という事は、言いかえれば主役であるデータの調理の仕方や料理を出すスピードで、どう差別化するか?という問題に他ならないのです。
http://markethack.net/archives/51873883.html

なるほど、確かに金融業界では、ぐだぐだ御託を並べるより、データを見せることの方が遙かに重要。てゆうか、データの裏付けのない理論など、何の価値もない。テクニカル分析〜特にチャートの理論なんてのは、このSolidという概念が全く欠けているわな。グランビルの法則(笑)、エリオット波動(失笑)って感じだね。ソリッドの欠片もないわな。

一方で自分は、シーゲルの長期投資理論や、ファンダメンタルインデックスの優位性などは、データの裏付けがあるから信用している。経験だとか、机上の空論だけで語られた理論なら、一切信用していないわ。

てゆうかこんなもの、金融業界に限った話じゃなかろう。プレゼン資料とかって、データの裏付けが無いものなんて、検討すら値しないわな。新商品や新規出店を検討するとき、事業の切り捨て・リストラを行うとき、ビジネスのあらゆる場面で、データの裏付けは不可欠。要はどれだけ効果的なデータを集め、それを見せられるかという能力に「Solid」が該当する訳だね。

ブラックスワン〜黒い白鳥

投資の世界には「ブラックスワン(Black Swan)」という言葉があります。日本語に直訳すると「黒い白鳥」になりますね。この意味は、滅多には無いが(悪い意味で)奇跡的な確率で起きることの例えです。

スワンは本来、白いものしか存在しないと思われていたのが、1697年に黒いスワンが見つかったという、実際の歴史的事実を、金融市場で例えられたものです。1日で20%以上NYダウ平均株価が暴落をしたブラックマンデーや、2011年5月のP&G誤発注事件による暴落などは、ブラックスワンの典型です。

ブラックスワン=黒い白鳥と直訳するから、日本語として違和感がありますが、本来「スワン」というのは、白いという意味など無い、単なる鳥の名称です(ペンギンとかフラミンゴとかと同じ)。要は江戸時代(?)とかに、スワンという英語を日本語に訳す際に、白い鳥だという先入観から「白鳥」と名付けてしまったことが問題だったのでしょう(あるいは日本では古来より、スワンのことを白鳥と呼んでいたのか?)。

ブラックスワンと同じ意味の言葉で「ファットテール」という金融用語もあります。確率統計の概念で、正規分布の両端がありえない比率で膨らむ事のたとえです。本来、正規分布の両端は恐竜の尻尾のように先細になるはずなのに、そこが太くなる様子から、ファットテールと名付けられたそうです。

投資家としては、ブラックスワンを予測できれば幸いなのですが、残念ながら、予想外の市場の乱高下を予測するのは不可能です。

ブラックマンデーとフライデーのBlackの違い

100年以上の株式市場の歴史の中で、最大の大暴落と言えば、1987年10月19日のブラックマンデー Black Monday である。この日、ニューヨークダウ平均株価 Dow が記録したのは、前日比508ドル安(−22.6%)という、とてつもないものだ。それを受けた翌日の日経平均株価も、やはり−3834円(−14.9%)という大暴落だった。

このブラックマンデー、日本語に訳すと「暗黒の月曜日」と言われる。つまり「Black」の黒は、悪い意味で使われているわけ。ちなみに、ブラックマンデーが起きた原因は、明確には分かっていない。原因が分からない暴落だったからこそ、投げ売りが投げ売りを呼び、底なし沼の大暴落となったと推測される。

このようにBlackというのは、一般的には(日本の感覚と同じで)悪いことに例えられるが、別の使い方もある。アメリカでは、11月の第4木曜日は祝日(感謝祭)で、その翌日の金曜日から、早くもクリスマス・セールが始まる。この金曜日のことを、ブラックフライデーBlack fridayと呼ぶのだ。

アメリカでは、このブラックフライデーからクリスマスまでの1ヶ月間で、小売売上高の3割が集中すると言われている。そして小売店が黒字になるから、黒=Blackというのが語源なのだとか。

同じブラックでも、用法によっては全く逆の意味になるわけだね。日本語で「いい」というのが、「良い」という意味だけでなく、「要らない」という意味で使われるのと、似ているな。
※要らないというのを「いい」って言うのは、関西圏だけっすか?

余談だが、タレントのやしきたかじんは、ブラックマンデーの翌日から株式投資を始めたそうだ。大混乱している証券会社に「株買いたいねん」と行ったら、随分怪訝な顔をされたそうだ・・・そりゃそうだわな(ノ∀`)。

バークシャー「ハサウェイ」なのか「ハザウェイ」なのか?

世界一の投資家=ウォーレン・バフェットが運営する会社が、Berkshire Hathaway であることは、長期投資家なら誰もが知ることだ。しかし、この綴りの読みが「ハサウェイ」なのか「ハザウェイ」なのか、どっちが正解なのかは日本では曖昧である。

これって、非常に微妙な問題なのよね・・・。日本語で言えば「山崎」がヤマサキなのかヤマザキなのか?あるいは「中田」がナカタなのかナカダなのか?みたいな、どっちもありえる読みなのだろうねぇ。

日本語のWikipediaではハサウェイとなっているし、全体的に見れば「サ」の方がやや多いように見受けられる。しかし、書籍によっては〜例えば長期投資家のバイブルの一つ、ジェレミー・シーゲル著「株式投資の未来」では、バークシャー「ハザウェイ」と明確に「ザ」と書かれている。

また、以下の動画のように、経済ニュースのアナウンサーが、わざわざ「サ」を「ザ」に読み直した事例もあり、余計に混乱させられていた。
http://www.youtube.com/watch?feature=player_detailpage&v=7tOChIbmy4w#t=22s

しかし本日、この問題にようやく決着が付いた。Youtube動画で発音を調べていたら、バークシャーの住宅部門子会社?のCEOと思われる人物の、PR動画を発見した。

動画の4:14あたりで、はっきりとハサウェイ〜つまり「サ」と言ってるよね?さすがに関係者が、自分の会社の名称を言い間違えることはあり得ないでしょ?てことは、ハサウェイでファイナルアンサーだな!

余談だが、固有名詞って一度間違えて覚えると、永遠に直らない人って居るよね。星野仙一はずっと赤星を「アカボシ」と間違えて呼んでたし、松岡修造はゴラン・イバニセビッチのことを「イバセニビッチ」と言い続けていた・・・それ誰やねんw 周りから指摘されてるはずだけど、もう癖になってて無意識に呼んじゃうんだろうねぇ。

ProfitとRevenueとベネフィット原田

日本語の「利益」に相当する英単語は、幾つか存在する。

投資の世界〜損益計算書【Income Statement】上では、収益は「Revenue」と表記される。例えば、株式投資の重要指標である「一株利益」は、Revenue Per Share となる。

一方で、利益を「Profit」という単語で表す場合もある。「売上総利益」は Gross Profit と表記する。

いずれも米ヤフーファイナンス表記がベース。RevenueとProfitの違いは・・・色々調べてみたが、明確な回答は見つからず(汗)。以下のサイトが紹介されている事が多いが、結局はどれでも良いみたいだ。

利益を表す三つの言い方

ちなみに、利益に近い概念として「benefit」という言葉がある。日本マクドナルド社長の原田氏が『お客様へのベネフィットのため』と言った事で、プチブレイクした用語(スラング?)だ。

しかし、benefitは金銭面以外の利益〜顧客満足度などとして使われ、RevenueやProfitは明確に金銭的利益を示す用語との事。即ち、60秒以内でハンバーガーを提供する事を『お客様へのプロフィット』と言うのは間違いとなる訳だw

しかしマクドナルド、迷走してるよね。高級バーガー乱発に始まり、メニュー隠蔽、60秒以内の提供、店舗の大量閉鎖しときながら広告費は6倍?に拡大、などと何がやりたいのかさっぱり分からん。原田氏はワンマン社長だから、彼の一存で決まった(そして失敗した)事も多いはず。株主はよく黙ってるよね?

日本マクドナルドの2012年決算は、9年ぶりの減収減益だそうだが、最大のテコ入れは「ベネフィット原田」の解任だと思うよ。ポテト一個買うともう一つプレゼントって何だよ!自分は結構なマクド好きだったが、この手のアホなサービスを止めない限り、当面食いに行く事は無いわ。

・・・でも株価は上昇してるんだよなぁ。この辺が金融マーケットの不思議な所だ(・∀・;)。